お子さまの歯並び気になりませんか?
お子さまの歯並びの悪さには、先天的な要因と後天的な要因があります。
先天的な要因として、最近の子どもの傾向として背が高く、足は長く、小顔になってきたと言われています。しかし、あごの骨が小さくなっても、歯の数や歯の大きさは変わらないため、歯が正しい位置にどうしても生えることができず、かみ合わせや歯並びが悪いお子さんが増えてきました。
これに対して後天的な要因としては、「指しゃぶり」「虫歯等で歯を抜いたまま放置する」等が挙げられます。また、「顎が成長しきっていない」ということも要因の1つです。
矯正時期について
乳歯が生え揃ったばかりの3歳前後。この時期の矯正治療は、子どもにストレスを感じさせる可能性があります。早い時期に治療すればいい、というものではありません。開始時期は、―般的に5~8歳位が適切です。
ただし、3歳前後で乳歯のお子さまで受け口になっている場合や、 明らかな歯の食い違いなどは、改善しておく必要がありますのでご相談ください。また、乳歯から永久歯へ生え替わるこの時期に行われる矯正治療は、 ワイヤー等の器具を使わず、おもに取り外しのできる装置を使って、上顎や下顎の成長を利用して行います。
永久歯が生え揃う12歳以上ともなれば、固定式の装置でワイヤーを用いた治療をすることになります。
治療法、使用する器具ともに成人と同様のものが使用されるようになります。
2段階にわけて治療いたします。
おとなでは歯を動かす治療が主体となりますが、子供はまず、あごにたいしての治療をおこない、上下の前歯4本と、第一大臼歯(6歳臼歯)がしっかりとかめることを治療目標といたします。
第一段階治療は8歳ぐらいまでにスタートできるとよいでしょう。約1年ぐらいの治療期間です。
この時期はあごの骨がとてもやわらかいので、おとなではできない治療が選択できます。
たとえば・・・
永久歯が生える場所がない場合
取り外しの装置(拡大床)を用い、あごを拡げます。
拡大床は食事と歯磨きの時は外していただきますが、その時間以外ははめていただきます。
早い時期に(小学校低学年)開始いたしますと、永久歯がガタガタに生えてくることを予防できます。
出っ歯の場合
ヘッドキャップという装置を就寝時に使用していただきます。
上あごの成長をコントロールいたします。
受け口の場合
フェイシャルマスクという装置を就寝時に使用していただきます。
下あごの成長をコントロールいたします。
また、この時期に生えている、前歯4本と左右奥歯にワイヤーをつけてきれいに並べる場合もあります。
その後は歯が動かないように抑える装置、リテーナーを半年から1年ほど使用し、第一段階治療の終了です。
その後は1年に1回ほど通院していただき、乳歯がぬけて永久歯に生え換わるまで、経過観察を行います。
永久歯がはえそろった時点で、第二段階治療の必要性を再度検討いたします。
治療が必要であれば、すべての歯に矯正装置をつけて仕上げの治療を行います。(おとなの方と同じ装置になります。)